病気の娘を助けるためにパパラッチとなった元写真記者と編集長を主人公とした本作は、利益のために所属タレントを差し出す芸能プロダクションの存在や、俳優の兵役回避問題など韓国芸能界で実際に起こった出来事を思い起こされるエピソードに興味をそそられる前半から、自らの保身のためにスキャンダル記事を握りつぶそうとする検察との激しい攻防戦が繰り広げられる終盤まで、一瞬たりとも目が離せない報道サスペンス。「THE K2~キミだけを守りたい~」「ヨンパリ ~君に愛を届けたい~」など先の読めないスリリングなストーリーに定評があるチャン・ヒョクリンが脚本を担当し、本作でも解決したかに思えた事件の先に、もうひとつの事実が隠されている展開に何度も驚愕。パパラッチの存在は“正義”か、それとも真実を暴く必要“悪”なのか…ドラマとして新鮮な題材に心奪われること間違いなしだ。
ホームレスからカリスマ溢れる記者まで!
演技派チュ・ジンモが体を張った姿で本領発揮
韓国最大日刊紙のエリート記者から転落。長髪にヒゲのホームレス姿やアルコール中毒による幻覚に苦しむ姿、愛する娘に向ける優しくも切なげな表情、記者としてのカリスマ溢れる姿など、様々な役柄を演じてきたチュ・ジンモがその演技力を存分に発揮し、娘の治療費を稼ぐためにパパラッチとなったソクジュの複雑な心情を多面的に表現。走行中の電車の上や、エレベーターの天井からスクープ写真を狙う場面などでは、アクションスターさながらの体当たり演技も見せている。
敵か味方か… 心を近づける2人の関係は恋に発展?!
娘を救うためにスヒョンと手を組んだソクジュは、当初反発していたものの、ともにスクープを追う中で、スヒョンの内面に触れ、徐々に心境が変化。自らの選択で人生を狂わせたソクジュへ罪悪感を抱いていたスヒョンも、記者としての真摯な姿や娘への深い思いに触れ、次第に彼に惹かれていく。お互いに心を近づけていく2人の恋の行方は…?
ロマンスクイーンから変身!
ハン・イェスルが冷酷な敏腕編集長役で新境地
これまで明るいキャラクターを演じることが多かったハン・イェスルが、自らの欲望のために墜落させたソクジュをパパラッチとして雇い、スクープをものにするためには、裏取引もいとわない冷酷でクレバーな敏腕編集長役を熱演。強引とも思える取材方法で、執拗に取材対象者に迫る一方、性接待を強要された女優を守るために奔走するなど、自らの正義に対する“信念”を持ち合わせたキャラクターを魅力的に演じ新たな一面を披露した。
スクープ写真を狙う姿はまるでスパイ映画
チームワーク抜群な取材班の活躍
スヒョンの指揮の下、ビッグスクープを狙うサンデー通信取材班。優れた情報網を持つスヒョンの右腕・ヨンミ、陰の実力者としてチームを支える通信装備室長のドクフン、元サセン(追っかけ)タクシー運転手のテウらが、綿密な計画をたて取材対象者へと迫る姿はまるでスパイ映画さながら。クラブへの潜入や、携帯電話の電波妨害、時には警察にもなりすますなど、違法すれすれの方法でスクープをつかむ姿は痛快。また、ソクジュのホームレス時代の仲間が、彼を助けるために作戦に参加する場面は、どこかほのぼのとした雰囲気で、緊迫したドラマの中で一息つけるシーンになっている。
女優プロポフォール常習疑惑
報道写真記者だったソクジュは、病院長が女優にプロポフォールを注射後、セクハラをする現場写真をスクープ。しかし女優が病院長とは恋人関係だったと嘘の証言をし、ソクジュは窮地に立たされる。
有名アイドル賭博疑惑
ソクジュは、娘の命を救うためスヒョンと取引し、列車の中で賭け事に興じるアイドルの写真を撮影。データを奪おうとする所属事務所だが、なんとソクジュは自らの足の傷の中にメモリーカードを隠していた!
トップ俳優 兵役逃れ問題
財閥の息子で人気俳優であるウノが、遺伝性の病のために兵役免除となることが発表されるが、その病気が嘘だと確信するスヒョン。入院中のウノを執拗にマークする中で、隠された事実が発覚する。
新人女優への性接待強要
芸能事務所の社長が、自らのネットワークを広げるため、所属する女優に性接待を強要。事実を追うソクジュに気づいた女優が、表ざたにしてほしいと撮影に協力。接待の相手が検事であることが判明する。
ある事件でホームレスに成り下がった元報道写真記者のソクジュは、取締まりで警察に追われていた。捕まる寸前、ソクジュは謎めいた美女に救われ、難を逃れる。彼女の名はスヒョン。サンデー通信の敏腕編集長だ。スヒョンはそんなソクジュにある人物の写真を撮ってほしいと依頼する。警戒するソクジュだったが、行方不明の娘を探すことを条件にその依頼を受けることに。しかし、それがきっかけで様々な事件に巻き込まれていき…。
チュ•ジンモ
1974年8月11日生まれ。モデル活動後、1997年に俳優としてデビュー。1999年に映画『ダンス ダンス』で初の主役を務める。2001年には韓中合作映画『MUSA-武士-』に出演。アジアで広く知られる存在となる。2013年のドラマ「奇皇后-ふたつの愛、涙の誓い-」の高麗王ワン・ユ役が日本でも話題に。ほかの主な出演作は、ドラマ「ゲームの女王」「ファッション70s」、映画『チング 永遠の絆』『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』『霜花店-運命、その愛』『カンナさん、大成功です!』など。
ハン•イェスル
1981年9月18日生まれ。大学1年生の時に、大韓民国スーパーモデル選抜大会アメリカ予選に出場。ジュリエット賞を受賞し芸能界入り。2003年のシットコム「ノンストップ4」に女子大生役で出演し、本格的な女優デビュー。2006年の主演ドラマ「ファンタスティック・カップル」がヒットし、人気女優の仲間入り。抜群な美貌とスタイルでファッションアイコンとしても長年愛されている。主な出演作はドラマ「クリスマスに雪は降るの?」「美女の誕生」「カフェ・アントワーヌの秘密」など。
演出 : イ・ドンフン「神様がくれた14日間」「ボスを守れ」
脚本: チャン・ヒョクリン「THE K2~キミだけを守りたい~」「ヨンパリ ~君に愛を届けたい~」