タラ(ミア・マッケンナ=ブルース)、スカイ(ララ・ピーク)、エム(エンヴァ・ルイス)の3人は、卒業旅行の締めくくりに、パーティーが盛んなギリシャ・クレタ島のリゾート地、マリアに降り立つ。自分だけがバージンで、 居ても立ってもいられないタラ。初体験というミッションを果たすべく焦る彼女を尻目に、親友たちはお節介な混乱を招いてばかり。タラは、バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、一人酔っぱらい、彷徨っていた。そんな中、ホテルの隣室の少年達と出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くのだが――。
サンダンス映画祭で審査員大賞を受賞した映画『Scrapper/スクラッパー』(23)等で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカー。今作で長編監督デビューを飾るやいなや、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを含む世界中の映画祭で<19 受賞 30 ノミネート>の快挙を果たした。ティーンがお酒に酔い、日焼けした肌で夜通し踊るクラブミュージックが全編を包み込む中で、友情や恋愛、セックスが絡み合う青春の夏休みを、思いやりを込めた視点で活き活きと表現し、痛いほどに共感できる爽快で感動的な物語を描き出す――。
ベース音だけが胃に響き、
音も光も入ってこないクラブのあの孤独感。
心がおろし金ですりおろされていくような、あの痛み。
わかる。わかるよ!
SEXって、ラブリーで
ロマンチックなものだと思ってた。
あの痛みも苦しみもいつかきっと
抱きしめたくなる。愛おしくなる。
高く飛ぶ為に、愛を知る(思い出す)為に深く深くしゃがむ事の大切さが描かれていると感じました。
あらゆる失敗はすべて宝物だ!!!
私たち一緒なら最強
そんな女友達さえいたら最高のはずなのに 一人でいる時のたまらない不安と孤独もまたティーンのそれで。
追い詰められていくタラの表情、
その心の機微に胸がぎゅっと苦しくなった。
ああ、今すぐ彼女を抱きしめたい。
あのときこうしてればよかったのでは? と起きてしまった出来事に あれこれ考えてしまうことが多いなか
この映画はそれよりも 深い悲しみや負った心の傷が
彼女のこれからの人生において
どうか行手を阻むものにならない世界であってほしいし
そうでなければならないと強く願うものだった。
何十年も前に描かれるべきだった
画期的な傑作。
性体験がないことを恥じる文化では、これはおかしい、という自分のシグナルをキャッチできなくなってしまう。
「性的同意」とは、互いの声を聞くこと、
そして何よりもまず、自らの声を聞くことなのだ。
「みんなはいつ経験したの?」
「誰と?どんなことを?」
そうした焦りが本心を飲み込んでいく様に、
もどかしく思いながらも共感する。
性体験のアリナシで
あなたの価値は変わらない。
そう教えてくれる人は、あまりにも少ない。
笑って誤魔化すことが精一杯だった———
虚構と現実の狭間に置かれた、少女の身体。
複雑に刺さるネオンの光と、性的同意の闇。
生き延びる為の、新しい語りの型を世界に魅了し、鮮やかに突き抜けた青春映画の傑作。
真に「性的同意があった」と言えるのは、
互いに行為を望む積極的な意思表示があった場合のみ。
酒の勢いやノリ、ムードに任せて
「YES」を引き出しただけの行為が
どれほど心に深い傷を残すのか、
私たちはこの物語を通じて肝に銘じるべきだ。