この度、本作の全国公開に先駆けてプレミア上映舞台挨拶を実施！
主演を務める成田凌に加え、共演の中村映里子、森田剛、竹中直人と、片山慎三監督の５名が登壇し、
ほぼ台湾での撮影となった本作の撮影裏話や片山慎三監督作に初出演となったキャスト陣の想い、一筋縄ではいかない片山監督作品の魅力や意気込みなどをたっぷり語った。

世界的ファンを持つ漫画家、つげ義春の「雨の中の慾情」をベースに片山監督が創り上げた映画『雨の中の慾情』（11月29日公開）。そのプレミア上映舞台挨拶が11月18日に都内映画館で実施され、主演の成田凌、共演の中村映里子、森田剛、竹中直人、そして片山慎三監督が参加した。

満員御礼で迎えたこの日。売れない漫画家・義男を演じた成田は「このメンバーでこの日を迎えることが出来て幸せです。今日は楽しんでください！」と観客に呼び掛けた。一方、片山監督は「つげさんの原作を台湾でやったら新しい景色が見れるのではないかと思ったのが本企画を受けた決め手。台湾という風景に演者が立った時にどんなムードが出るのか？そこが重要だと思って撮影をしました」と本作に込めたこだわりを明かした。

そんな片山監督の印象について成田は「撮っていくうちにアイデアが浮かんでくる監督で、ワンテイク目から毎分ブラッシュアップされる感覚でした。それでいて鮮度も保てて面白かったです」と撮影を回想。これに片山監督は「アイデアが湧いてどんどん面白くなっていくから撮影が終わらないんです」と苦笑い。義男が一途に思いを寄せる女性・福子役の中村は「脚本に書かれていないことが用意されていたりして、今日は何が起こるのか毎日ドキドキしながら撮影しました」といい、成田も「そうそう。現場に行かなければわからないよね！」と深く頷いていた。

小説家を志す男・伊守を演じた森田は「現場に行ったら逃げられない。だからやるしかない！」と片山監督ならでの撮影現場の大変さを笑いに変えつつ、「現場では片山監督からヒントになるワードをもらって、それを大切に演じようと思っていました」と片山監督に全幅の信頼を寄せていている様子も。尾弥次役の竹中は「皆さんが言う通り、片山監督は粘り強い！何度もやる！そして近づいてきて面白い事をボソッと言って何度も何度もテイクを重ねるんです。でもその監督の息遣いに体が慣れていく。監督の息遣いを感じる現場はそうないので素敵でした」とさすがの手腕を絶賛。粘る、と言われた片山監督は「それだけ皆さんの引き出しが多いので。やればやるほど良くなっていくので…。すみませんでした！」と頭を掻いていた。

約1か月の期間をかけて台湾ロケを敢行した本作。成田はワンシーンワンカットで捉えられたハードな戦争シーンに触れて「そのワンシーンを1日かけて撮るのは贅沢な時間であり、わけのわからない時間だった。でも充実していましたね」と作品の見どころとして挙げ、翌日も朝から続きの撮影が行われたと言い「そこからの続きのMAXの状態を朝一からやるので…。もっと褒められてもいいのにと思っていました」と本音をポロリ。中村は「台湾のスタッフの方々が優しくて気配りも凄くて。帰国後は寂しくなってぽっかり心に穴が開いてしまったようになったのも印象的です。楽しくて刺激的で強烈な現場を体験させてもらえました」と本作の撮影が宝物になったことを明かしていた。

森田は「片山監督がモニターを見ている顔がニヤニヤしていて楽しそうで。それが印象的。この人のために頑張ろうと思えました」と本作の撮影を楽しんでいたようで、竹中は「小さな虫が塊になって竜巻のようにゴハンの中に入って来るんですよ。最初は追い払っていたけれど、途中から面倒臭くなってゴハンに虫が入っても気にしないくらいになっちゃいました」と自然の多い場所での苦労したエピソードを披露し、場内の笑いを誘っていた。片山監督は台湾での撮影秘話として「協力的な地元の方の御実家をお借りしました。義男が家に転がり込んできた伊守や福子を壁から覗くシーンを撮りたくて『壁を壊してもいい？』と聞いたら『いいよ』と言ってくれて。実際に壁を壊して撮影させていただきました」と明かし、成田も「重要なスペースだったのでありがたい。提供してくれたのが映画好きの方で協力してくれました」と現地の協力体制に感謝する一幕も。

さらに、本編で義男が口にする「大体手に入らないんだよ、欲しいものは」という印象的な台詞にちなんで、映画のタイトルにもある、今一番“慾情”するもの＝“今、一番、手に入れたいもの”を発表。成田は「一番欲しいのは新しい膝」といい「膝の調子が悪くて新しいのに入れ替わったらいいなと思う。下りがキツイ。イテテとなる。普段山に登るので、下りがキツイと大変」とまさかに意外すぎる回答に苦笑い。さらに「外ロケすると痛くなるので、若いスタッフに笑われながらもカイロを貼っています。そういう歳になってまいりました」とカミングアウトしていた。

舞台挨拶に緊張中という中村は「緊張しているので心の落ち着きが今欲しい」と照れ笑いし、森田は「え～？ないですね」と言いながらも「髪の毛は欲しい。あっていいじゃないですか」とまさかの願望が。大爆笑の成田の横で竹中は「あるやつに言われたかねえわ！」とツッコミを入れ場内からも笑いが。そんな竹中は「剛毛が欲しいと言おうとしたのに…」と笑わせて「この映画に圧倒的にお客さんが入ったと言われたい」とヒットを祈願。片山監督は「記憶を失くして、まるで誰かが作ったものを観る様にこの映画を改めて観てみたい」と述べ、作り手としての願望を告白していた。

最後に片山監督は「色々と感じてもらいたいと思って作ったので深く考えず、予測せず、映っているものを感じ入りながら観ていただきたいです。2回3回と見ると魅力が増す映画で、僕は6回目くらいが一番良かったです！」とリピーターが続出することを希望。主演の成田は「俳優を始めてちょうど10年になりますが、こういう作品に出たくて俳優をやっています。とにかくみんなで詰め込んだのでただただ楽しんでもらいたいです。存分に喰らって帰ってください！」と胸を張って本作をアピールしていた。

『雨の中の慾情』は11月29日（金）より公開予定。ぜひご期待ください！


▽作品情報
『雨の中の慾情』

■あらすじ
貧しい北町に住む売れない漫画家・義男（成田凌）。アパート経営の他に怪しい商売をしているらしい大家の尾弥次（竹中直人）から自称小説家の伊守（森田剛）とともに引っ越しの手伝いに駆り出され、離婚したばかりの福子（中村映里子）と出会う。艶めかしい魅力をたたえた福子に心奪われた義男だが、どうやら福子にはすでに付き合っている人がいるらしい。伊守は自作の小説を掲載するため、怪しげな出版社員とともに富める南町で流行っているＰＲ誌を真似て北町のＰＲ誌を企画する。その広告営業を手伝わされる義男。ほどなく、福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、義男は福子への潰えぬ想いを抱えたたま、三人の奇妙な共同生活が始まる……。

成田凌
中村映里子　森田剛
足立智充　中西柚貴　松浦祐也　梁秩誠　李沐薰　伊島空
李杏 ／ 竹中直人

監督・脚本：片山慎三
原作：つげ義春『雨の中の慾情』
企画：中沢敏明
エグゼクティブプロデューサー：英田理志　中西一雄
プロデューサー：厨子健介　筒井史子　劉士華
コ・プロデューサー：後藤哲　川端基夫（山形ロケ）　和田大輔（茨城ロケ）
脚本協力：大江崇允
音楽：髙位妃楊子
衣裳デザイン・扮装統括：柘植伊佐夫
撮影：池田直矢
照明：舘野秀樹
美術：磯貝さやか
装飾：折戸美由紀
録音：秋元大輔
音響効果：井上奈津子
編集：片岡葉寿紀
VFX スーパーバイザー：朝倉怜
衣裳デザイン補・スタイリスト：玉置博人
スタイリスト：橋本ゆか
ヘアメイク：会川敦子
小道具：佐藤桃子
VFX プロデューサー：川瀬基之
音楽プロデューサー：安井輝
宣伝プロデューサー：小口心平
キャスティング：北田由利子
助監督：山口晋策
制作：セディックインターナショナル 日商賽奇客有限公司 井風國際娛樂有限公司
製作：映画『雨の中の慾情』製作委員会
配給：カルチュア・パブリッシャーズ
©2024 「雨の中の慾情」製作委員会

公式サイト：https://www.culture-pub.jp/amenonakanoyokujo/
X：@ame_yokujo
Instagram：@ame_yokujo

11月29日（金） TOHO シネマズ日比谷ほか全国公開