十年三月三十日～その愛、時をこえて～

日本で事業を展開する若き実業家。大学時代、同期の袁莱（ユエン・ライ）から猛アタックを受け交際をスタートさせるが、日本への留学中に袁莱の誤解によって、2人は別れることに。5年の月日が経つ今も袁莱が忘れられない靳燃は、袁莱が働く旅行会社のCOO（最高執行責任者）として、上海に帰国する。自分へのわだかまりを残す袁莱の心をもう一度振り向かせようと、靳燃は袁莱に思いの丈をぶつけていく。

上海の旅行会社、非途（フェイトゥー）旅行に勤務。若くしてマネージャーを務め、社長や後輩からの信頼も厚いが、そのやり手な態度が時に他部署から煙たがれることも。仕事に没頭する日々を送る中、袁莱もまた別れを告げた靳燃への未練に苦しんでいた。そんな中、ようやく気持ちの整理をつけた矢先、目の前に現れた靳燃に激しく心を揺さぶられる。職場の上司と一線を引くも、彼の言動にたびたび戸惑うのだった。

靳燃や袁莱と大学の同期。弁護士となった承志は、弁護士仲間と正志（ジェンシー）法律事務所を運営し、袁莱が勤務する非途旅行の顧問弁護士も務める。学生時代から袁莱に思いを寄せる承志は、卒業後も袁莱のそばで彼女を支え、見守り続けていた。交際の機会を窺うが親友以上に発展できず苦戦する承志。そんな中、袁莱に急接近する靳燃に、嫉妬と焦りをおぼえる。

東方（ドンファン）大学法学部出身、実業家の父を持つお嬢様。承志の後輩にあたる彼女は、ひょんなことから正志法律事務所で、助手として働くことに。はじめは承志を同性愛者だと思い込み、自分が恋愛の対象外であることにひどく落ち込むが、後に事実ではないことを知ると、承志への思いが加速する。持前の明るさと行動力で、承志に気に入られようと猛アピールをはじめる。

艾美（アイメイ)グループの御曹子で、eスポーツのクラブチームのオーナー兼選手を務める。大学時代から不自由なく優雅な暮らしが日常だった丁昂は、このところの財産目当てが露骨な恋人や、気が進まないお見合い話にうんざりしていた。そんな中、3年ぶりに大学時代の同期である徐辛頤（シュー・シンイ―）と再会。一瞬で恋に落ちた出会いの日が忘れられない丁昂は、再び辛頤への思いを募らせていく。

広告会社勤務。手ごわいクライアントにも強気な振る舞いで、次々と契約を勝ち取る凄腕セールスマネージャー。私生活では、恋人の高子富(ガオ・ズーフー）と順調に交際を続けていた。結婚を意識しはじめていた辛頤は、子富からのプロポーズを心待ちにしていたが、たびたびはぐらかす子富に不安を抱きはじめる。丁昂に不安を見抜かれた辛頤は、丁昂の気遣いや優しさに内心救われながらも、強がりばかりをぶつけてしまう。