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【TCP2022グランプリ授賞式】受賞者発表と授賞式の様子

#コンペティション
映画企画を、募集から映画化までバックアップを行うコンペティションを中心に、映像クリエイターの「発掘と育成」を目的とするTSUTAYA発のプログラムである「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM」。(以下、TCP) 2022年度は企画部門、脚本部門、監督部門、の3つの部門で合計571に及ぶ応募企画が集まり、1次、2次、最終審査を勝ち抜いた3作品の発表、授賞式が3月24日に池袋 harevutaiで開催された。

授賞式には、カルチュア・エンタテインメント株式会社 代表取締役 中西一雄、コンペティション審査員長を務めた C&Iエンタテインメント株式会社 久保田 修も参加し、授賞式スペシャルプレゼンターとして、俳優・菊地凛子が登壇した。

菊地は「授賞式プレゼンターとして選んでいただきとても光栄に思います。多くのクリエイターがここから輩出されていくことが感慨深く、またこうやって多くの作品が生まれていくということは1人の役者としてもとても嬉しい。」とプレゼンターに選ばれた感想を述べた。

菊地は、「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2019」の脚本部門で審査員特別賞を受賞し、2023年に公開を予定している映画『658km、陽子の旅』の主演を務めている。菊地にとって初の邦画単独主演作となった映画『658km、陽子の旅』では、熊切和嘉監督と22年ぶりにタッグを組み、初冬の東北を横断しながらの撮影に渾身で挑んだ。

TCP受賞者の脚本に熊切監督も参加し、最終的に出来上がった脚本を初めて読んだ際には「まず物語を進めていく主人公として、40代女性のキャラクターというがとても珍しく、そういった企画が選出されて、そしてその役が自分のところにまわってきたことをとても光栄に思う。」と語った。

脚本部門 審査員特別賞を受賞した市川悠輔の企画名は『風よふけ、僕らの熱い涙を』。優等生でありながらも、日常に疎外感や劣等感を抱える女子高生が、ある日13年前の卒業生が書いたとされる青春小説を見つける。その小説が自分の学校を舞台にしたものだと気づき、現実逃避をするように作者を探し始めるという過去と現代が時空を超えて交差する青春学園物語。審査にあたってパイロット版の動画を製作した市川は、「カット割り、俳優の動かし方、どこにフォーカスを置くか、とてもハイレベルな方だと思った。」という審査委員長からの評価を受け「お褒めいただきとても光栄。せっかくいただいたチャンスなので全力で悔いのないように取り組んでいきたい。」と受賞の感想を語った。

監督部門で 審査員特別賞に輝いたのはスペイン人のペドロ・コヤンテス。TCPの取り組みの中で初の外国人受賞者となった。企画名は『コンビニ』。27歳でコンビニ店員をしながら働いている女性が、ある日コンビニを訪れた70代の男性に出会い、彼の行動を観察するにつれ、彼の目的が「刑務所に入ること」だと気づく。受賞者のペドロ・コヤンテスはスペイン在住のため授賞式への出席は叶わず、コメント映像が流された。「共同脚本家である日本人の妻と2人で日本の映画製作に取り組めることに今からとてもワクワクしている。早く日本で皆様にお会いしたいです。」と日本語を交えながら喜びを語った。


そして見事グランプリを獲得したのは、YouTuberの企画・構成作家をしている竹中貞人の『16小節の旅の始まり』という女子高生によるラップのフリースタイルバトルの物語。事なかれ主義の女子高生がラップと出会い、現状を変えたいと願う親友とともに、奮闘する成長物語にもなっている。

グランプリ作品の企画内容を見たという菊地は「ラップという文化はすごくメッセージ性があって、ラップの中で使われる言葉も強い語調のものが多いですけど、それを女子高生が繰り広げるというところに面白さを感じました。自分にも役が欲しいと思って企画書の相関図を見たのですが、無さそうだったので監督作ってください!」と語り、受賞者の竹中は「即座に!」と返し、会場に笑いが起こった。

最後に竹中は「あらためて、この場に立っていることでエンターテインメントを好きでよかったと胸を張って言える。物語を作るというのは暗い洞窟の中にいる気分で、TCPに至ってはここがゴールではない。今から映画製作が始まる。この作品を製作する過程もとても厳しいものだと思いますが、みなさんに素晴らしい作品をお届けできるよう精進できればと思っております。」と抱負を述べた。

授賞式の中では菊地凛子主演の『658km、陽子の旅』の共演者キャストの紹介も行われ、竹原ピストル、オダギリジョーのことを「竹原さんはとても詩的な、ポエティックな方で、実際にお会いしても凄く素敵な方。オダギリさんは今までも何回か共演したことはあったが、一緒にいて落ち着く、背中で語ってくれるような存在で今回の競演でもとても頼りになった。」とそれぞれの共演者について話した。


自身にとって役目のある役が初めてだったという熊切監督の作品『空の穴』から22年。監督から「また一緒にやろうと言っていただけたことがとても嬉しかった。」という菊地。『658km、陽子の旅』は7月28日公開。

<STORY>
42歳 独身 青森県弘前市出身。
人生を諦めなんとなく過ごしてきた就職氷河期世代の在宅フリーター陽子(菊地凛子)は、かつて夢への挑戦を反対され20年以上断絶していた父が突然亡くなった知らせを受ける。 従兄の茂(竹原ピストル)とその家族と共に車で弘前へ帰ることに。しかし、途中のサービスエリアでトラブルを起こした子どもに気を取られた茂の一家に置き去りにされてしまう。陽子は弘前に向かうことを逡巡しながらも、所持金がない故にヒッチハイクをすることに。しかし、出棺は明日正午。北上する一夜の旅で出会う人々―懸命に働くシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、怪しいライター(浜野謙太)、心暖かい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)。そして陽子の前に立ちはだかるように現れる若き日の父の幻(オダギリジョー)により、陽子の止まっていた心は大きく揺れ動いてゆく。冷たい初冬の東北の風が吹きすさぶ中、はたして陽子は明日の出棺までに弘前の実家にたどり着くのか・・・。

<『658km 、陽子の旅』作品情報>
監督:熊切和嘉 原案&共同脚本:室井孝介 共同脚本:浪子想 音楽:ジム・オルーク
出演:菊地凛子 / 竹原ピストル 黒沢あすか 見上愛 浜野謙太 
/ 仁村紗和 篠原篤 吉澤健 風吹ジュン / オダギリジョー
製作:『658km、陽子の旅』製作委員会
(カルチュア・エンタテインメント、オフィス・シロウズ、プロジェクトドーン)
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント 
制作プロダクション:オフィス・シロウズ 
配給・宣伝:カルチュア・パブリッシャーズ 
宣伝協力:DROP.
©2023「658km、陽子の旅」製作委員会

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